ポケモン対戦で急所は運要素の代表格ですよね。
技が急所に当たると通常より大きなダメージを与えられますが、その急所に当たる確率や効果の仕様は作品の世代によって少しずつ変化しています。
この記事では、「ポケモン 急所 確率」について、初代から最新作(スカーレット・バイオレット)までの変遷と基本知識をまとめて解説します。
急所の基本的な仕組みから、世代ごとの急所率の違いや対戦での活用方法まで、中級者の方にも役立つ情報を盛り込みました。それでは見ていきましょう!
- 急所は大ダメージと補正無視を実現する要素である。
- 初代は素早さ依存であったが、第2世代以降は固定値、第6世代以降は急所ランクで管理される。
- 持ち物・技・特性により急所率は上昇する。
- 急所は対戦で一発逆転や突破の鍵である。
ポケモンの急所の基本知識と確率
まずはポケモンにおける急所の基本を押さえましょう。急所とは何か、その効果や発生確率について説明します。現在のシリーズでの一般的な急所率や仕様を理解しておくと、後ほど世代ごとの違いもスムーズに飲み込めるはずです。
急所とは何か?
「急所に当たった!」はポケモンのバトル中に時折表示されるメッセージで、攻撃が相手の急所(弱点)に命中したことを示しています。
いわゆるクリティカルヒット、つまり急所攻撃のことで、通常よりも大きなダメージを与えることができます。ポケモンシリーズでは初代『赤・緑』からこの急所システムが存在し、以降すべての世代で採用されている基本的なバトル要素です。
急所に当たると、そのターンの攻撃は大ダメージになります。具体的には通常のダメージ計算に倍率補正が掛かり、世代によって異なる倍率でダメージが増加します。
また、急所に当たった場合は攻撃が相手の防御アップなどの補正を一部無視する性質も持っています。たとえば、相手が「ぼうぎょ」を何段階も上げて硬くなっていても、急所に当たればその防御アップを貫通してダメージを与えられるわけです。ただし、攻撃側に有利な補正(自分のこうげきアップなど)はそのまま適用され、状態異常「やけど」による攻撃半減は急所でも適用されるため注意が必要です。
要するに、急所に当たると「相手の守りを崩しつつ大ダメージを与える」ことが可能になります。ただし、急所自体は発生確率が低いので、常に狙えるものではありません。次に、急所の発生確率について見ていきましょう。
急所の発生確率(急所率)
急所率とは、攻撃が急所に当たる確率のことです。基本的に、ポケモンの技が急所に当たるかどうかはランダムで決まっており、通常はかなり低い確率です。
現在のシリーズ(第八世代以降)では、何の補正もない状態での急所率はおよそ4~8%前後となっています。体感的にも「たまに出るかな」という程度です。具体的な数字で言えば約1/24~1/16程度とも言われ、世代によって若干の違いはあるものの、二桁パーセントには達しません。
また、一部の技には「急所に当たりやすい」と説明されているものもあります。代表的な例として「きりさく」「リーフブレード」「ストーンエッジ」などがあり、これらの技は通常より急所率が高めに設定されています。
これらの技を使うと、急所に当たる確率は通常の約2倍となる場合があります。さらに、持ち物や技、特性などで急所率を上げることも可能です。基本となるベースの確率が低いので、何も工夫しなければ急所は滅多に出ないという点を覚えておきましょう。
それでは、続いて各世代ごとの急所率や仕様の変化について詳しく見ていきます。これを理解すると、なぜ現在は急所ダメージが1.5倍なのか、昔の作品では急所率がどう違っていたのかといった疑問も解決するはずです。
急所確率の世代ごとの変化と対戦での活用
ここからは、ポケモンシリーズにおける急所の仕様や確率の変遷を世代別に解説し、その後で急所率を上げる方法や対戦での活用法について触れていきます。
長年のファンの方には懐かしさもあるかもしれません。それぞれの世代で急所周りのルールがどのように変化してきたのかを見てみましょう。
第1世代の急所仕様:素早さ依存とバグ
初代『ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ』における急所は、他の世代とは大きく異なる計算方法を採用していました。
なんと、ポケモンの「すばやさ」種族値に応じて急所率が変動していたのです。具体的には、通常の技の急所率は「自分の素早さ種族値 ÷ 512」という計算式でした。
たとえば、当時最速のポケモンであるマルマイン(素早さ種族値140)の場合、約27%という高い確率で急所に当たる計算になりました。逆に、素早さが低いポケモンでは急所率が非常に低くなる仕様でした。素早いポケモンほど急所を出しやすいという、現代からするとかなり特殊な仕様だったわけです。
さらに、初代には「きりさく」や「はっぱカッター」など、急所に当たりやすい技も存在していました。これらの技では急所率の計算が「自分の素早さ種族値 ÷ 64」となり、急所率が飛躍的に高くなっていました。
極端な例では、素早さ種族値64以上のポケモンが「きりさく」を使うとほぼ確実に急所に当たるという性能でした。また、初代では「きあいだめ」という技に関して、プログラムミスにより本来の効果と逆になってしまい、使用すると急所率が大幅に低下するというバグもありました。初代の急所周りは、現在では考えられない独特の挙動をしていたのです。
第2~第5世代の急所仕様:固定確率への変更
『金・銀・クリスタル』の第2世代以降、急所の仕様は大きく見直され、標準化されました。
まず、急所率はポケモンの素早さに依存しない固定値になりました。世代ごとに微調整はありましたが、基本的には「通常時は急所率1/16(約6.25%)、急所に当たりやすい技ならその倍の1/8(約12.5%)」という仕様となりました。これにより、足の遅いポケモンでも一発逆転の急所が狙えるようになりました。
また、第2世代では、初代で問題となっていた「きあいだめ」も修正され、本来の急所率アップ技として機能するようになりました。さらに、持ち物システムが導入され、「ピントレンズ」という急所率を上げる持ち物が登場しました。
他にも、特定のポケモン専用アイテムとして、ラッキーの「ラッキーパンチ」やカモネギ専用の「ながねぎ」などが追加され、これらを活用することで急所率を上昇させる戦略が可能になりました。
第3世代(ルビー・サファイア・エメラルド)や第4世代(ダイヤモンド・パール・プラチナ)でも、急所率の基本仕様自体は第2世代を踏襲しています。
急所時のダメージは一律で2倍であり、確率も1/16が基本です。ただし、第4世代では新たに特性「きょううん」が登場し、この特性を持つポケモンは急所率が1段階上昇するため、持ち物や技と組み合わせることでさらに急所率を高めることができるようになりました。また、持ち物「するどいツメ」も追加され、ピントレンズと同様に急所率を上げる効果がありました。
第5世代(ブラック・ホワイト)までの急所は、第4世代までとほぼ同じ仕様で、大きな変更はありませんでした。まとめると、第2~第5世代では急所率は基本6.25%(急所技なら12.5%)、ダメージ倍率は2倍という仕様です。初代のような極端な挙動はなくなり、現在に近い安定した急所システムが確立された時期となりました。
第6世代以降の急所仕様の変化:急所ランク導入
第6世代(XY)になると、急所の仕様に再び大きな変更が加えられました。まず、急所時のダメージ倍率が1.5倍に引き下げられ、急所が出たときの爆発力が調整されました。この仕様は、第7世代(サン・ムーン)、第8世代(ソード・シールド)、第9世代(スカーレット・バイオレット)でも維持されています。
さらに、第6世代では「急所ランク」という概念が導入され、急所率の計算方式が段階式になりました。簡単に言うと、急所率を上げる要素(持ち物や特性など)ごとに急所ランクが加算され、その合計値に応じた急所率が決定される仕組みです。急所ランクの具体的な確率は、以下のようになります。
- 急所ランク0(補正なし): 1/12(約8.3%)
- 急所ランク+1: 1/6(約16.7%)
- 急所ランク+2: 1/2(50%)
- 急所ランク+3以上: 100%(確定急所)
急所ランクは+3が上限で、+3に達すると以降は必ず急所に当たるようになります。たとえば、第6世代以降の「きあいだめ」は急所ランクを+2する効果があり、これだけで急所率が50%になります。
さらに、持ち物「ピントレンズ」(+1)を併用すれば合計ランク+3となり、その後の技はすべて確定急所となります。第5世代までは急所率の上限が50%だったのに対し、第6世代以降は条件が整えば100%にできるという大きな違いがあります。
最後に、各世代ごとの急所率やダメージ倍率を以下の表にまとめました。各世代の特徴を整理する参考にしてください。
世代 | 基本急所率 | 急所率(高い技使用時) | 急所時ダメージ倍率 | 備考 |
---|---|---|---|---|
第1世代 (赤・緑) | 素早さ種族値 ÷ 512(例: 約27%) | 素早さ種族値 ÷ 64(例: 約100%) | 2倍 | 「きあいだめ」で急所率低下のバグがあった |
第2世代 (金・銀) | 1/16(約6.25%) | 1/8(約12.5%) | 2倍 | 急所率が素早さ非依存に変更された |
第3世代 (ルビー・サファイア・エメラルド) | 1/16(約6.25%) | 1/8(約12.5%) | 2倍 | ピントレンズが登場 |
第4世代 (ダイヤモンド・パール・プラチナ) | 1/16(約6.25%) | 1/8(約12.5%) | 2倍 | するどいツメ、特性「きょううん」が登場 |
第5世代 (ブラック・ホワイト) | 1/16(約6.25%) | 1/8(約12.5%) | 2倍 | 目立った変更はなし |
第6世代 (XY) | 約1/12(約8.3%) | 約1/6(約16.7%) | 1.5倍 | 急所ランク導入(+3で確定急所) |
第7世代 (サン・ムーン) | 約1/12(約8.3%) | 約1/6(約16.7%) | 1.5倍 | 特性「ひとでなし」登場(毒状態なら確定急所) |
第8世代 (ソード・シールド) | 約1/12(約8.3%) | 約1/6(約16.7%) | 1.5倍 | 一部の技に急所確定効果がある |
第9世代 (スカーレット・バイオレット) | 約1/12(約8.3%) | 約1/6(約16.7%) | 1.5倍 | 新特性などが追加されている |
急所率を上げる方法と手段
急所率はさまざまな要素で上昇させることが可能です。ここでは、急所率を上げる代表的な方法をいくつか紹介します。
まず、持ち物による上昇があります。たとえば、「ピントレンズ」や「するどいツメ」をポケモンに持たせると、急所率がそれぞれランク+1上昇します。
また、特定のポケモン専用アイテムとして、ラッキーの「ラッキーパンチ」やカモネギ専用の「ながねぎ」などもあり、これらは急所率を一気にランク+2まで上げる効果があります。
さらに、バトル中に使えるアイテムである「クリティカット」などを使用すれば、一時的に急所ランク+1の効果が発揮されます。状況によっては、HPがピンチになったときに効果を発揮するアイテムもあるので、持ち物の選択次第で急所率を大幅に上げることができます。
次に、技による上昇・確定急所があります。急所率を上げる変化技として代表的なのは「きあいだめ」です。第2世代以降、この技は自分の急所ランクを+2上げる効果があり、使用後の攻撃が急所に当たりやすくなります。第7世代では、新たに「とぎすます」という技も登場し、この技を使うと次に繰り出す攻撃が必ず急所に当たる効果があります。
また、攻撃技の中には最初から急所が確定するものもあります。たとえば、「やまあらし」や「こおりのいぶき」は必ず急所に当たる効果を持っています。さらに、第8世代ではウーラオス専用技として、必ず急所に当たる特殊な技が登場しており、これらの技を活用することで、確実に大ダメージを狙うことができます。
最後に、特性による上昇もあります。特性「きょううん」は、持っているポケモンの急所率を1段階上げる効果を持っています。たとえば、アブソルやペルシアン(アローラのすがた)などは、この特性のおかげで、持ち物や技と組み合わせたときに急所率をさらに上げることが可能です。
また、相手が毒状態なら必ず急所に当たる特性「ひとでなし」も登場しており、こうした特性は運に頼らず急所攻撃を実現させる手段として有効です。一方、特性「スナイパー」は、急所に当たったときのダメージ倍率をさらに上げる効果があり、これにより急所ヒット時の火力が大幅に向上します。
このように、持ち物、技、特性をうまく組み合わせれば、急所ランクを最大限に引き上げ、状況に応じて確実に急所を狙う戦術を取ることができます。
たとえば、特性「きょううん」を持つポケモンにピントレンズを持たせ、さらに「きあいだめ」を使用すれば、急所ランクが大きく上がり、その後の技はすべて確定急所となるため、対戦での一発逆転のチャンスを確実なものにできるのです。
対戦における急所の影響と活用
最後に、ポケモン対戦で急所がどのように影響し、活用されているかについて説明します。急所は基本的に運に左右される要素ですが、その扱い方次第で勝敗を大きく左右する重要なファクターとなります。
まず、急所は対戦の流れを一変させる可能性があります。たとえば、相手が積み技で防御を固めていても、急所に当たればその補正を無視して大ダメージを与えることができるため、劣勢を覆すチャンスとなります。また、自分が能力ダウン状態にあっても、急所攻撃によってそのデメリットを補える場合があるため、戦況を逆転させる重要な要素となります。
一方で、急所はあくまで確率要素であるため、常に狙って出せるわけではありません。そのため、急所が出たらラッキーと考えるのが基本です。
対戦では、たとえこちらが有利な状況でも、急所によって相手の積み上げた補正を無効化されるリスクがあり、また逆に不利な状況でも急所が出れば一発逆転の可能性があるという、両刃の要素とも言えます。大会や真剣勝負の場では、「あの急所がなければ勝っていたのに」というドラマも見られるため、急所はポケモンバトルの醍醐味のひとつともなっています。
さらに、急所を積極的に戦術に組み込むことも可能です。第6世代以降は、急所率アップの効果を組み合わせて確実に急所にする戦法が考案されるようになりました。
たとえば、雨パーティのキングドラが「きあいだめ」を使い、特性「スナイパー」やピントレンズの効果で急所率を最大化し、確定急所の技で相手を倒すといった戦略が存在します。また、ダブルバトルでは、味方に急所効果を持つ技を補助させるなど、急所を戦術的に利用する例も多く見られます。
急所は、対戦におけるリスクとチャンスの両面を持つ要素です。相手が積み技で防御を固めていても、こちらが急所を狙って一発逆転を狙うことができる反面、こちらが積み上げた有利な状況が急所一発で崩される可能性もあるため、常にその存在を意識した戦略が求められます。
以上、ポケモンシリーズにおける急所の確率と仕様の変遷、および対戦での活用方法について解説しました。普段何気なく遭遇する急所ですが、世代ごとの違いやその利用法を知ることで、ポケモンバトルの奥深さをより実感できるのではないでしょうか。
運に左右される部分もありますが、それもまたポケモン対戦の面白さのひとつです。この記事の内容を参考に、急所を味方につけた戦略や立ち回りにチャレンジしてみてください。急所での一発逆転が、あなたの勝利を決定づけるかもしれません!
総括:ポケモンの急所確率
この記事のまとめです。
- 急所は、攻撃が相手の急所に命中し大ダメージを与える要素である。
- 急所は、通常の補正を無視する効果を持つ。
- 急所の仕様は世代ごとに変化している。
- 初代は、素早さに依存して急所率が決定されていた。
- 初代では、きあいだめの効果が逆転するバグが存在した。
- 第2世代以降、急所率は固定値で管理されるようになった。
- 通常の急所率は、1/16(約6.25%)である。
- 急所技使用時は、急所率が倍増する仕組みである。
- 第4世代で、持ち物するどいツメが登場した。
- 特性きょううんにより、急所率が上昇する。
- 第6世代以降、急所ダメージ倍率は1.5倍に調整された。
- 第6世代以降は、急所ランクシステムが導入された。
- 急所ランクは、持ち物・技・特性で上昇する。
- 急所ランクが+3で、急所は確定する。
- 急所は、対戦における一発逆転の鍵となる要素である。